基礎体温表

周期療法という選択

漢方における不妊症「周期療法」について

 ゆきんこ 古来、中国医学では婦人科関連の書物が多くあり、不妊症に対する漢方薬も数多く処方されてきました。

 現代中医学では、伝統的な治療法に西洋医学の考え方を結合して、よりよい治療効果を得る方法「中西医結合」が一般的に行われるようになっています。不妊症においても、この中西医結合の考え方による「周期療法」が主流となっています。

 伝統的な中医学による治療法においても証(体質)に合った漢方薬を服用することによって妊娠される方が数多くおられましたが、この周期療法は従来の漢方治療に比べて、妊娠率がより高くなったと言えます。

周期療法とはどんな方法なのか

 女性の体は生理周期によって女性ホルモンの分泌が異なり、体質も変化していきます。そこで周期療法ではその生理周期(生理期、低温期、排卵期、高温期)にあわせて異なる漢方薬を服用して、妊娠の確率を高めようという方法です。

理想的な基礎体温表

各時期に服用する漢方薬に、以下のような特徴や作用があります。

生理期→活血薬と理気薬

 子宮内膜を再生する前段階として、主要な粘膜層の全部を剥離・溶解して月経血として体外に排出することが必要です。

低温期(卵胞期)→補血薬と滋陰薬

 子宮内膜の新しい粘膜層の再生と卵巣内の卵胞の発育と成熟を助けることが必要です。

排卵期→活血薬(と理気薬)を短期間

 成熟卵胞からの排卵をスムーズにさせ、黄体をつくり、低温期から高温期へ移行させることが必要です。

高温期(黄体期)→補陽薬

 受精卵を子宮内に着床・養育できる態勢を整えることが必要です。

 

tanpopo1『周期療法』は、不妊症でお悩みの方に大変よい知らせとなる方法です。しかしながら、無月経の方や生理周期があまりにも不安定な方は、ある程度月経周期を整えてからでないと周期療法に移っても効果が期待できません。また、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣嚢(のう)腫など、骨盤内にうっ血や炎症、腫れ物がある方は、先にその漢方治療をしてから周期療法に移ることになります。

当薬局では「妊娠しやすい身体・体質に改善していくこと」を目標に、ご相談させていただいております。