毎月の↓「ひょうたん北島」↓に連載中の↓「漢方のおはなし」↓ひょうたん北島2017年12月号【第345号】より
漢方のおはなし
~冬令膏方~
ずいぶんと寒くなってきましたが、体調はいかがですか?
毎年この時期になると思い起こされるのが「膏方(こうほう)」。
もう15年前になりますが、臨床研修のために上海に住んでおりまして、その時に初めて出会いました。
漢方の剤型には「湯(せんじぐすり)」「丸(錠剤のようなもの)」「散(こなぐすり)」などいろいろありますが、「膏」というのも漢方の剤型の一種で、生薬を煮詰めてドロドロの状態にしたものです。
冬令膏方は、この「膏」が2リットルくらい入りそうな壺の中にたっぷり詰まっていて、これをひと冬の間をかけて毎日少しずつ服用していきます。そうすることで、一年の疲れをとり、次の一年の英気を養うことが出来るのです。
日本で手に入る、膏方に近いものとしては、婦宝当帰膠(当帰・阿膠などを含む)や星火亀鹿仙(鹿角・亀板・スッポンなど)、瓊玉膏(はちみつ・地黄…)などがあげられると思います。
漢方には、冬の病気は夏に治す「冬病夏治」という言葉がありますが、逆の「夏病冬治」もまた真実と言えるでしょう。
城西漢方薬局
管理薬剤師
国際中医師久積 賢治