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若返りの漢方!?


毎月の↓「ひょうたん北島」↓201704ひょうたん北島表紙に連載中の↓「漢方のおはなし」↓201704漢方の~若返りの漢方    ひょうたん北島2017年4月号【第337号】より  

漢方のおはなし

~ 若返りの漢方!? ~

  皆さんは五臓六腑という言葉を聞いたことがあると思います。
 五臓は肝・心・脾・肺・腎を指しますが、今回はそのうちの「腎」のお話。

 漢方で言う「腎」は現代医学の腎臓も含みますが、もっと広い意味を持ちます。例えば、耳の聞こえも腎だし、脳や骨・足腰も腎、尿も腎、髪の毛も腎に関係します。

 こうして「腎」に関係するものを書き出してみると何かお気づきになりませんか…?

 そう、年齢とともに衰えていくものが「腎」と関係が深いのです。こうしたものが衰えているのがいわゆる「腎虚(じんきょ)」と呼ばれる状態。

 最近では若い人にも多く見られ、白髪が増えたり、精力が衰えたり、冷え症だったり、妊娠が難しかったりといった症状として表れます。

 生薬でよく使われるのが「鹿茸(ろくじょう)」や「蛤蚧(ごうかい)」「海馬(かいば)」「冬虫夏草(とうちゅうかそう)」「紫河車(しかしゃ)」などの動物性のもの。

 漢方薬では「参茸補血丸」「参馬補腎丸」「双料参茸丸」「青海冬夏泉」「霊鹿参」など。

 腎を強くする漢方は、老化防止の薬でもあるのです。

 城西漢方薬局 北島店  久積 賢治


痛み取り


毎月の↓「ひょうたん北島」↓201703ひょうたん北島表紙に連載中の↓「漢方のおはなし」↓ひょうたん北島201703漢方    ひょうたん北島2017年3月号【第336号】より  

漢方のおはなし

~痛み取り~

  ♪春一番が~♪ 吹きましたねー。これから三寒四温を繰り返してだんだんと桜の季節に近づいてきますね!

 春になるとツクシや菜の花などいろんな植物がにょきにょきと伸びてきます。

 その中で、民間薬としても、漢方薬の原料としても使われているのが「イタドリ」。川沿いの土手などに良く生えている、あれです。学校帰りに「ポコン」と折って、皮をむいておやつ代わりにしていた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

地方によっては「オンボコ、スカンポ、イタズリ、スイバ」等々、いろんな名前で呼ばれているようですが、もともと「痛みを取る」から「イタドリ」が正式名称です。

漢方では「虎杖(こじょう)」と言い、薬用部位は根っこで、生薬名は「虎杖根(こじょうこん)」と言います。

名前の由来の通り、痛みを取る効果があるとされ、他にも熱さましや解毒、利尿作用があります。

日本では漢方薬ではありませんが「MSMコラーゲンⅡスーパー」などにオオイタドリが含まれているようです。

 

城西漢方薬局 北島店  久積 智穂


気と漢方


毎月の↓「ひょうたん北島」↓201702ひょうたん北島表紙に連載中の↓「漢方のおはなし」↓201702漢方のおはなし気と漢方    ひょうたん北島2017年2月号【第335号】より

    漢方のおはなし
    ~気と漢方~

 みなさん!元気ですかっっ!?
 「気」という漢字の含まれる熟語は「根気、意気、英気、快気、活気、血気」などなど数え上げればきりがありませんが、漢方でも「気」は体のバランスを保つうえで重要な要素の一つです。
 気が不足すると、それこそ元気がなくなったり、食欲がなくなったり、花粉症になったり、風邪をひいたり、下痢をしたり、冷え症になったり、不正出血がおきたり…といろいろと不都合が出てきます。
 そんな気を補うことができる生薬は「補気薬」と呼ばれ、種類もたくさんあります。例えば党参、太子参、黄耆、白朮、山薬、甘草、大棗、薬用人参など。
 この中で、一般的に食物としてスーパーでも売っているものがありますが、ご存知ですか?
それは…中国語で「山薬(shan1 yao4・サンヤク)」。日本語では「山芋」「長芋」などを指します。働きとしては「脾・肺・腎」の気を補うことで、胃腸の調子を整えたり、下痢を止めたり、頻尿を改善したり。漢方薬では「健脾散」「八味地黄丸」「八仙丸」「啓脾湯」などに含まれています。

    城西漢方薬局 北島店  久積 賢治

毎月1日に発行なのですが、発行前日の「たけしの家庭の医学~名医が教える【漢方】で長引く不調を解消スペシャル」で先に答えを言われちゃいましたね…がまん顔 


冷えと血流


毎月の↓「ひょうたん北島」↓ひょうたん北島201612に連載中の↓「漢方のおはなし」↓ひょうたん北島201612漢方

    ひょうたん北島2016年12月号【第333号】より

漢方のおはなし

~冷えと血流~

  こんにちは。すっかり冬!という感じになってきましたねー。

 寒くなってくると手足が冷えて、入浴してもなかなか温まらない方も見受けられるようになります。手足などの末梢血管の血流は「(血が)きれい」で、「(血の量が)たっぷり」あり、「よくめぐる(流れる)」ことが重要です。

漢方薬では「化痰(かたん・けたん)」という種類である二陳湯(にちんとう)や温胆湯(うんたんとう)などが血をきれいにすると言われています。

一方、量を増やすのは「補血(ほけつ)」薬と言われる、四物湯(しもつとう)や婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)が効果的。

流れをよくするのは「理血(りけつ)・活血(かっけつ)」薬と呼ばれる、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や血府逐瘀丸(けっぷちくおがん)、冠元顆粒(かんげんかりゅう)がよく使われます。

 冷え対策として、すりおろし生姜を紅茶に入れて飲んでらっしゃる方をたまに見かけますが、これは発汗を促して体温を下げるので逆効果になることもあり、注意が必要です。

城西漢方薬局 北島店  久積 賢治


梅雨時の過ごし方


毎月の↓「ひょうたん北島」↓に連載中の201607ひょうたん北島
↓「漢方のおはなし」↓201607漢方のおはなし梅雨の漢方

ひょうたん北島2016年7月号【第328号】より

漢方のおはなし
 ~梅雨時の過ごし方~

みなさん、こんにちは♪

まいにち、はっきりしないお天気が続いてますが体調はいかがですか?

五臓・五行・五味など、なんでも5つに分かれている?漢方(中医学)の考え方では、季節も5つに分かれています。春夏秋冬に加えて「長夏」という季節、もともと中国では夏~秋の間の雨の多い時期を指していたそうですが、日本で「長夏」に相当するのはちょうど今頃。

「長夏」は五臓で云うと「脾(消化器系)」と関係が深く、その「脾」が一番苦手としているものが五悪の「湿」。この時期は、刺身やサラダなどの生ものを避けたり、体を冷やして湿気を溜めやすくする、冷たい飲み物を飲まないようにすることで体調の悪化を予防します。

 漢方では魚介類の中毒に用いられる「蘇葉(しその葉)」や胃腸を整える作用のある「生姜」、「陳皮(ミカンの皮)」などが含まれている「勝湿顆粒」などがよく使われる処方です。

 今年の夏は99%の確率で猛暑だそうです!「長夏」に「脾」をいたわることで、夏バテを防ぎましょう♪

城西漢方薬局 北島店  久積 智穂