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冷えと血流


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    ひょうたん北島2016年12月号【第333号】より

漢方のおはなし

~冷えと血流~

  こんにちは。すっかり冬!という感じになってきましたねー。

 寒くなってくると手足が冷えて、入浴してもなかなか温まらない方も見受けられるようになります。手足などの末梢血管の血流は「(血が)きれい」で、「(血の量が)たっぷり」あり、「よくめぐる(流れる)」ことが重要です。

漢方薬では「化痰(かたん・けたん)」という種類である二陳湯(にちんとう)や温胆湯(うんたんとう)などが血をきれいにすると言われています。

一方、量を増やすのは「補血(ほけつ)」薬と言われる、四物湯(しもつとう)や婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)が効果的。

流れをよくするのは「理血(りけつ)・活血(かっけつ)」薬と呼ばれる、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や血府逐瘀丸(けっぷちくおがん)、冠元顆粒(かんげんかりゅう)がよく使われます。

 冷え対策として、すりおろし生姜を紅茶に入れて飲んでらっしゃる方をたまに見かけますが、これは発汗を促して体温を下げるので逆効果になることもあり、注意が必要です。

城西漢方薬局 北島店  久積 賢治


梅雨時の過ごし方


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ひょうたん北島2016年7月号【第328号】より

漢方のおはなし
 ~梅雨時の過ごし方~

みなさん、こんにちは♪

まいにち、はっきりしないお天気が続いてますが体調はいかがですか?

五臓・五行・五味など、なんでも5つに分かれている?漢方(中医学)の考え方では、季節も5つに分かれています。春夏秋冬に加えて「長夏」という季節、もともと中国では夏~秋の間の雨の多い時期を指していたそうですが、日本で「長夏」に相当するのはちょうど今頃。

「長夏」は五臓で云うと「脾(消化器系)」と関係が深く、その「脾」が一番苦手としているものが五悪の「湿」。この時期は、刺身やサラダなどの生ものを避けたり、体を冷やして湿気を溜めやすくする、冷たい飲み物を飲まないようにすることで体調の悪化を予防します。

 漢方では魚介類の中毒に用いられる「蘇葉(しその葉)」や胃腸を整える作用のある「生姜」、「陳皮(ミカンの皮)」などが含まれている「勝湿顆粒」などがよく使われる処方です。

 今年の夏は99%の確率で猛暑だそうです!「長夏」に「脾」をいたわることで、夏バテを防ぎましょう♪

城西漢方薬局 北島店  久積 智穂


冬虫夏草


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ひょうたん北島2016年6月号【第327号】より

漢方のおはなし
   ~冬虫夏草~

  みなさん、こんにちは! 平年どおりだと5日ころには梅雨入りでしょうか。

 チベットの山奥ではちょうどこの頃に冬虫夏草の採集が行われています。冬虫夏草とは蛾(主にコウモリガ)の幼虫に寄生したキノコのことで、冬には動いていた虫が、夏には草となって地中から生えてくることからこう呼ばれています。

漢方では肺・腎の経に効果があると言われ、喘息や肺気腫、肺癌などにも使われることが多い生薬です。残念ながら価格が高騰していて、液体の「青海冬夏泉」などの一部商品を除き、天然のモノは手に入らなくなってしまいました。

 日本で一般的に売られている冬虫夏草は人工のタンクなどで培養されたもので、当然効能も効果も違うものです。よく似たものでセミの幼虫に寄生したものを金蝉花と言って、こちらは小児のひきつけや夜泣きなどによく使われます。

 今では貴重品となってしまった冬虫夏草。ご興味のある方は、実物の標本が店頭に展示してありますので、いつでもご覧になれます♪

 城西漢方薬局 北島店  久積 賢治


流産予防の漢方


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忘れないように冷や汗 (顔) ブログにも記録として残しておくことにしました指でOK

ひょうたん北島2016年3月号【第324号】より

漢方のおはなし
~流産予防の漢方~

みなさん、こんにちは!寒さもピークを過ぎ、だんだんと暖かくなってきましたね~♪それにつれて、花もほころび始め、鼻もムズムズ…(苦笑)。

 さて、今回は少し専門的なお話しです。現在まで、多くの不妊症に悩んでらっしゃる患者様を診てきました。漢方で不妊治療?と思われる方も多いかもしれませんが、漢方は体質に合わせて体調を整えていく薬ですので、服用を続けていくと「イライラが少なく」なったり「生理痛が気にならなく」なったり「冷えが改善され」たり「お肌がきれいに」なったりと、いろいろな良い効果が現れはじめ、そして「妊娠」という経過をたどることが多いのです。

 しかし、実はそのあとが大切で、妊娠が難しかった方は流産の可能性も高い場合が多く、漢方では「安胎」作用のある生薬を使います。一般の方にもなじみのあるものでは「蘇葉(しその葉)」「艾葉(よもぎ)」が切迫流産に、「杜仲(葉ではなく、木の皮)」が習慣性流産に、他にも「白朮」「黄芩」「続断」などを体質によって使い分けるんですね~。

城西漢方薬局 北島店 久積 智穂