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気と漢方


毎月の↓「ひょうたん北島」↓201702ひょうたん北島表紙に連載中の↓「漢方のおはなし」↓201702漢方のおはなし気と漢方    ひょうたん北島2017年2月号【第335号】より

    漢方のおはなし
    ~気と漢方~

 みなさん!元気ですかっっ!?
 「気」という漢字の含まれる熟語は「根気、意気、英気、快気、活気、血気」などなど数え上げればきりがありませんが、漢方でも「気」は体のバランスを保つうえで重要な要素の一つです。
 気が不足すると、それこそ元気がなくなったり、食欲がなくなったり、花粉症になったり、風邪をひいたり、下痢をしたり、冷え症になったり、不正出血がおきたり…といろいろと不都合が出てきます。
 そんな気を補うことができる生薬は「補気薬」と呼ばれ、種類もたくさんあります。例えば党参、太子参、黄耆、白朮、山薬、甘草、大棗、薬用人参など。
 この中で、一般的に食物としてスーパーでも売っているものがありますが、ご存知ですか?
それは…中国語で「山薬(shan1 yao4・サンヤク)」。日本語では「山芋」「長芋」などを指します。働きとしては「脾・肺・腎」の気を補うことで、胃腸の調子を整えたり、下痢を止めたり、頻尿を改善したり。漢方薬では「健脾散」「八味地黄丸」「八仙丸」「啓脾湯」などに含まれています。

    城西漢方薬局 北島店  久積 賢治

毎月1日に発行なのですが、発行前日の「たけしの家庭の医学~名医が教える【漢方】で長引く不調を解消スペシャル」で先に答えを言われちゃいましたね…がまん顔 


冷えと血流


毎月の↓「ひょうたん北島」↓ひょうたん北島201612に連載中の↓「漢方のおはなし」↓ひょうたん北島201612漢方

    ひょうたん北島2016年12月号【第333号】より

漢方のおはなし

~冷えと血流~

  こんにちは。すっかり冬!という感じになってきましたねー。

 寒くなってくると手足が冷えて、入浴してもなかなか温まらない方も見受けられるようになります。手足などの末梢血管の血流は「(血が)きれい」で、「(血の量が)たっぷり」あり、「よくめぐる(流れる)」ことが重要です。

漢方薬では「化痰(かたん・けたん)」という種類である二陳湯(にちんとう)や温胆湯(うんたんとう)などが血をきれいにすると言われています。

一方、量を増やすのは「補血(ほけつ)」薬と言われる、四物湯(しもつとう)や婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)が効果的。

流れをよくするのは「理血(りけつ)・活血(かっけつ)」薬と呼ばれる、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や血府逐瘀丸(けっぷちくおがん)、冠元顆粒(かんげんかりゅう)がよく使われます。

 冷え対策として、すりおろし生姜を紅茶に入れて飲んでらっしゃる方をたまに見かけますが、これは発汗を促して体温を下げるので逆効果になることもあり、注意が必要です。

城西漢方薬局 北島店  久積 賢治


受験の漢方


毎月の↓「ひょうたん北島」↓201611ひょうたん北島表紙に連載中の↓「漢方のおはなし」↓201611ひょうたん受験の漢方    ひょうたん北島2016年11月号【第332号】より

漢方のおはなし

~受験の漢方~

  夜遅くまで頑張ってらっしゃる受験生の皆さん、お疲れ様です。今が一番苦しい時期かもしれませんが、踏ん張りどころでもありますので、無理をし過ぎないように無理してください!?

 さて、受験の漢方として思いつくものを考えてみました。私がもし、いま受験生だったら…

 まずは風邪の予防。お茶として「板藍茶(ばんらんちゃ)」を飲みながらうがいをして、のどを潤し、外出時は「板藍のど飴」で粘膜保護。

 次に脳血流の改善。「能活精(のうかつせい)」で2~3時間のドーピング。記憶力アップ!

 どうしても疲れた時や風邪の回復を早めたい時などは牛黄製剤の「長城清心丸」や「霊黄参」で体力ブースト!

 テスト前で落ち着かなかったり、あがったりした場合は「救心感應丸氣」や前出の「長城清心丸」も。ストレスで鬱ってるときも即効性ありそう。

 ストレスが胃腸に来てしまって、下痢や便秘になりがちなら「逍遥丸」や「健脾散」。

 風邪をひいてしまったら「涼解楽」や「天心感冒片」、「葛根湯」、「若甦」など。

 どの漢方も眠くならないのが良い点です。これだけの漢方薬があれば、私も今頃は…?

城西漢方薬局 北島店  久積 智穂


梅雨時の過ごし方


毎月の↓「ひょうたん北島」↓に連載中の201607ひょうたん北島
↓「漢方のおはなし」↓201607漢方のおはなし梅雨の漢方

ひょうたん北島2016年7月号【第328号】より

漢方のおはなし
 ~梅雨時の過ごし方~

みなさん、こんにちは♪

まいにち、はっきりしないお天気が続いてますが体調はいかがですか?

五臓・五行・五味など、なんでも5つに分かれている?漢方(中医学)の考え方では、季節も5つに分かれています。春夏秋冬に加えて「長夏」という季節、もともと中国では夏~秋の間の雨の多い時期を指していたそうですが、日本で「長夏」に相当するのはちょうど今頃。

「長夏」は五臓で云うと「脾(消化器系)」と関係が深く、その「脾」が一番苦手としているものが五悪の「湿」。この時期は、刺身やサラダなどの生ものを避けたり、体を冷やして湿気を溜めやすくする、冷たい飲み物を飲まないようにすることで体調の悪化を予防します。

 漢方では魚介類の中毒に用いられる「蘇葉(しその葉)」や胃腸を整える作用のある「生姜」、「陳皮(ミカンの皮)」などが含まれている「勝湿顆粒」などがよく使われる処方です。

 今年の夏は99%の確率で猛暑だそうです!「長夏」に「脾」をいたわることで、夏バテを防ぎましょう♪

城西漢方薬局 北島店  久積 智穂


冬虫夏草


毎月の↓「ひょうたん北島」↓に連載中の201606ひょうたん北島表紙↓「漢方のおはなし」↓01606漢方のおはなし冬虫夏草

ひょうたん北島2016年6月号【第327号】より

漢方のおはなし
   ~冬虫夏草~

  みなさん、こんにちは! 平年どおりだと5日ころには梅雨入りでしょうか。

 チベットの山奥ではちょうどこの頃に冬虫夏草の採集が行われています。冬虫夏草とは蛾(主にコウモリガ)の幼虫に寄生したキノコのことで、冬には動いていた虫が、夏には草となって地中から生えてくることからこう呼ばれています。

漢方では肺・腎の経に効果があると言われ、喘息や肺気腫、肺癌などにも使われることが多い生薬です。残念ながら価格が高騰していて、液体の「青海冬夏泉」などの一部商品を除き、天然のモノは手に入らなくなってしまいました。

 日本で一般的に売られている冬虫夏草は人工のタンクなどで培養されたもので、当然効能も効果も違うものです。よく似たものでセミの幼虫に寄生したものを金蝉花と言って、こちらは小児のひきつけや夜泣きなどによく使われます。

 今では貴重品となってしまった冬虫夏草。ご興味のある方は、実物の標本が店頭に展示してありますので、いつでもご覧になれます♪

 城西漢方薬局 北島店  久積 賢治